眠れない夜の話 (ふたつめ)
新年が明けて、ずっと、眠れない夜が続いている。
どうして、どうして眠れない。
夜中、そんなことを考える時間が苦痛で、娯楽に走り、知らぬ間に気絶する。
朝、雨戸を閉じっぱなしだから、光が射さなくて、母の声を聞く。
眠れないから、起きられなくて、眠れないのに、眠りたくて、生返事のあと、夢の続きを追いかける。
センターまで、あと、1週間。
しんどい。もう、何もかも投げ出してしまいたい。
ホルモン周期的に、昨日から1週間は鬱屈とした気分になることは間違いなくて。
何をするのもしんどい、眠れない夜が来るのが怖いのに、昼のあいだに何かをする訳でもない。そんな気力もない。
一年前、こんなふうになるとは思ってもなかった。センターなんて余裕だと思っていた。
余裕はない、でも、その恐怖にも勝る無気力感が、自分の体を支配している。
疲れたんだな。
どうやったら、疲れを取れるのか、私には、全然、分からないんだ。
ボタンひとつで、四月の新学期が始まればいいのに。
最近、歌も歌えない。一曲まるまる、歌いきる気力もない。
大好きな歌。歌うことだけは、私から消えないと思っていたけど、案外簡単に無くなるものだ。
今日、少しだけ歌って、歌えなくて、悲しくなってやめた。
何も出来ない。無気力感だけが増していく。
こうして文章を書けば、何か変わるかと思ったけど、変わらない。
どうすれば、どうすれば。
泣きそうになる。
明日、学校に行く。解放日、直前の模擬テストがある。
行ったら、何かが。
変わってくれ。