ささやかな喜びの話
世の中が騒がしい今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
こちらは午後から雨が降り続いている他は割と穏やかです。まあ依然として、家族と揉めることは多いんですけどね。
やる、と決めたことをこなせたのが大きいかな、と思います。
ギャラリーと呼ばれる場所に行ってきました。
知り合いが出展しているから見に行かないかと誘われて、用のない私は二つ返事で了承しました。
最近カメラをお下がりにもらって、少し勉強したいなという気持ちでした。
道に少し迷いながらも辿り着いた先は、雑居ビルの二階。
入りづらさを感じたけれど、件の知り合いがその場にいてくれたのでそろりと忍び込みました。
中には私たち以外のお客さんとギャラリーのオーナーの二人だけでした。
作品が所狭しと並べられている中に知り合いの作品があったので、作者の意図なんかを耳に挟みながらひと通り作品を見ました。
知り合い以外にも数人の作品が並んでいて、そこに書かれた値段に驚きつつ、オーナーの話を聞いたりなんかしていると、一際目を引く作品を見つけました。
その瞬間、久々に己の部屋の汚さを呪いました。
部屋に、廊下に飾れたらどんなに良いだろうかと思ったんです。
その次に値段を見て、高価さに安堵しました。
もし買える額だったら買っていました。飾れなくても。
だから代わりにオーナーに「これ私好きです。」と言ってみたんです。素敵ですねって。
そしたらものすごい笑顔になって詳しく説明してくれました。
作品は石版画であること。
材料の石がもう産出しない希少なものであること。
作者が友人であること。
今はニューヨークで暮らしていること。
久々にじんわりと温かい気持ちになりました。この人は本当にこの作者を応援しているんだなと。
美術に関して何もわからない私ですけど、作品の繊細さをみているとなんだか小さな幸せを拾い集めて形にしたみたいで、とても素敵でした。
今思い出しても家に飾りたいです。ほんと。
そうして話が盛り上がって、オーナーとちょっとした知り合いのような関係になって、ツーショ撮って帰りました。
新しい友達ができたみたいな、そんな気分です。
題名にはささやかと書きましたが、十分大きな出来事だったかもしれないな。
うららかな春の光を感じるような不思議で喜ばしい1日でした。
P.S.
なにかと心の騒めく話題が多いですが、できるかぎり落ち着いて暮らしていけるよう願っています。
P.S.2
いつも、よくいえばわかりやすく悪くいえば短絡的なタイトルにしているんですが、今回はちょっとだけピントをぼかしてみました。
でもなにか効果を期待しているわけではなく、今日の気分です。
そんな日もあるよね、なんちゃって。